【対談】“私”が考える。生きるためのヒントを探す旅。

はじめに

※この対談シリーズは、2020年コロナ禍に企画したものです。

企画テーマは、『長生きは不幸ですか?これからの人生100年時代を多世代で考える』です。誰しもが長生きする可能性のあるいま、「私たちはこれからをどうやって生きていくのか?何ができるのか?」のヒントを探すため、いろいろな年代の方に話を聞くという企画です。

新型コロナウィルスの感染防止対策で外出できない間、家族や知人、友人たちとメールをやり取りする中で、多くの人が「思考停止状態」にあることを感じました。

いつ終息するのかという不安、死への恐怖、思い通りに動けないストレス。以前から対談企画は準備していたのですが、これは早くやらねばと焦りました。

停止した思考を動かしてくれそうな人たちに、対談させてくださいと声をかけました。「いまやるべきことは?」「いまから準備しておけることは?」「いつかやりたいことは?」などの問いを、会話のなかで投げかけてくれそうな人たちです。

今回のタイトル『長生きは不幸ですか?』については、わざと刺激的な言葉を選んでしまいました。

結論から言えば、不幸か幸せかは誰にもわかりません。日々の中で、ときには不幸だったり、ときには幸せを感じたり、それの繰り返しではないかと思っています。

私の祖母(90歳)は、病気になったり、身近な人が亡くなったり、そんなときは「なんで私はこんなに長生きしちゃったのかな」と悲しそうな顔をします。ひ孫のくれた手紙を読んで「幸せだな」とつぶやくときもあります。そうやって、日々を淡々と過ごしています。

超高齢化、人口減少、経済の停滞、それに伴う終身雇用制度の終焉、介護制度の崩壊。そしてコロナ禍。

いまであれば、『長生きは不幸』だと答える人が多いのでしょう。私にとっても「しあわせな老後」を想像することは容易ではありません。本音で言えば、『BABA lab』の代表者として、キラキラした未来像を表面的に語ることはできるかも知れませんが、それすらもできないのが現状です。

この対談は、気を抜けば思考が停止してしまいそうな自分のための企画でもあります。誰しも長生きできてしまうこの時代に、せめて「長生きするのも悪くない」と思える仕組みを考えて、つくっていくために、やる気とヒントをもらう旅です。

そして、その仕組みは、もちろんシニアだけで考えるものでもなく、若者だけで考えるものでもなく、様々な世代が知恵をだして考えていくものだと思っています。

これから、10代~90代までいろいろな方との対談が始まります。長く続けていきたいと考えていますので、興味のあるテーマがあればぜひ読んでみてください。

2020年4月23日 BABA lab 代表 桑原静

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【対談】“団塊ジュニア世代”が考える。シニアの居場所