新・生き方辞典 特別編
『サラリーマン最後の日』
file003 西島瑞夫さん 1951年生まれ [印刷業界]
Q サラリーマン時代の仕事は?
新卒から、ずっと写植系の会社で働いてきました。時代の流れとして、だんだん写植の時代ではなくなってきていたので、いつの段階かで自分で決めなければならない日が来ると思っていたのです。人生80年として、50歳を人生の折り返しと考え、50歳までのサラリーマン、そして、それからの人生は別として、一念発起して、会社を去るということにしました。その時には、そのあとをどうするのかは明確にしていたわけでも考えていたわけでもなかったですね。
Q 「サラリーマン最後の日」どんなことを考えていましたか?
仕事を辞めるときに、その時、家を新築して2年、まだ多くの借金を抱えていたのですが、奥さんは「みんなで頑張ればなんとかなるよ」と話してくれたのが良かったです。うちは子供4人(全員男)もある程度、育っているし大丈夫だなと、それで1ヶ月ぐらい、ぼぉ~~として、お寺にこもったりもしました。その後、「心理学が好きだったんだ。その方向に進もう。その勉強をしていこう。」と決め、ハローワークに通っていたことから、ハローワークのキャリア相談のカウンセラーになりました。
Q 現在の「しごと」は?
一方、自宅の1階は、趣味のジャズの練習場所にしようかと考えていましたが、借金もあるしどうしようと・・・そんなころ、たまたまのご縁で立川志の輔さんの落語会を開くことになりました。現在では、100回を優に超える開催をしています。こうしたご縁の広がりもあり、多くの若手落語会が、自宅の1階を研鑽の場として使うことになりました。カウンセリングの仕事も、いろいろな分野に広がり、高校生の進路・就職指導、職訓の講座・障がい者の就職支援とつながってきています。縁のつながりがこうしたことになるわけで、前向きに物事と向き合うことが大事だと思います。
インタビュー:井上雅史