誰もが長生きする社会。シニアとこれからシニアになる人たちと「長生きするのも悪くない」と思える仕組みをつくっていきます。
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シニアのホンネ会議 in 埼玉

2019年8月10日、「シニアのホンネ会議 in 埼玉」を、浦和コミュニティセンター15集会室で開催しました。

どの世代にも関心が高まりつつある「人生100年時代」。急速な高齢化にあたり、高齢者はサポートを受けるだけではなく、健康寿命を延ばし、元気に働いたり、ボランティアをしたり、主体的に活動することが求められています。

そして、シニアが活躍するには、彼らが働きやすい環境の整備や仕組み、サービスが必要になります。しかし、それらの仕組みづくりや商品・サービスの企画には、シニアの声(本当のニーズ)は反映されていません。

満員御礼となった今回の会議、シニア自身の本当のニーズ“ホンネ”を掘り起こし、アイデアを出し合ってみようというコンセプトに、20代から80代の幅広い世代が集まりました。

 
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「お申し込みのお電話から、参加に前向きな意気込みを感じました」とオープニングの挨拶をつとめたBABA lab代表の桑原。

この会議に向けて10代から90代にアンケートを行い、「『人生100年時代』と聞いて、あなたはどう感じますか?」という質問では、「ネガティブ」と回答した1位は40代男性、「ポジティブ」と回答した1位は同率で80代の男女となり、「『人生100年時代』と聞いて、一番の楽しみは?」には、ポジティブ回答者の上位が「自分のこと」を挙げる結果がでました。

 
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人生100年時代をポジティブに感じている方は、「自分がこれからどう変わっていくかワクワクしている」ということも分かりました。一方、40代男性などネガティブに感じている方は一番の楽しみはという問いに『ない』という回答が上位に挙がり、働き盛りの世代が人生100年時代に対する不安を持っていることも読み取れました。

桑原の挨拶の後に、アイデア出しのヒントを得る講演会が行われました。

 
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澤岡詩野さん(公益財団法人ダイヤモンド高齢社会研究財団主任研究員)より、20年前までは100歳以上の方がとても珍しくTVなどで話題になることもあったが、これからは誰もが長寿を生きる「大衆長寿時代」を迎える。その中では自分の人生をプロデュースすることが求められることや、「役割」を持つこと、社会とのつながりや多世代交流の必要性などを話されました。

 
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牧壮さん(一般社団法人アイオーシニアズジャパン(IOSJ)代表理事)からは、超高齢化社会は、「ICT(情報通信技術…通信技術を使って人とインターネット、人と人が繋がる技術)」の利用が必須となる。これからはインターネットで個人の能力が無限に生きる時代。シニアの経験を活かしたアプリ制作を行っているベンチャー企業のなどの紹介があり、「日本が世界に誇れる長寿社会立国」になることを目指していきましょう!と語られました。

 会の後半は、講演会であがったヒントを胸に、「居場所」、「職場、働き方」、「ITサービス、アプリ」、「健康サービス、健康商品」、「娯楽サービス、娯楽商品」の興味のあるテーマに分かれ、「シニア向けにあったらいいな」を話し合います。

後半のコーディネーターを株式会社アソボットの代表取締役伊藤剛さんが務めました。

 
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居場所が3グループ、他のテーマはそれぞれ2グループとなり、グループのメンバー同士で、自己紹介の後に、それぞれのアイデアを出し合いました。

立ち上がって話を繰り広げる方や、皆でたくさんの付箋を出し合うグループ、出たアイデアに拍手が上がるところもありました。年代も多様な場からはどんどん「あったらいいな」が挙がっていきます。

 
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会議の途中に、モグモグタイムも挟み、グループごとに発表を行いました。

発表されたテーマタイトルは、以下のようになりました。

・「ご近所井戸端ネットアプリ」
・「ほめテレビくん」
・「オトナのアソビバ」
・「覆面シニアネットワーク」
・「なんでもパーク」
・「娯楽支援立ち上げサービス」
・「生きていることが感じられる居場所」
・「On line健康カフェ」
・「地域限定シニアのスキルシェアサービス」
・「暮らすメイトづくり」
・「健康コーディネーター」 

テーマタイトルだけで、どんなアイデアか興味惹かれるものばかりです。

 
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その中で出たキーワードでライターが気になったものは「禁止事項は禁止」、「自分を認めてくれるAI」「身近な人同士で困ったが解決できる」「YouTubeで健康情報を得る」などがありました。

 グループの発表に、大きく頷く方、メモを取る方も多くいました。時に「おお!」という掛け声もあがりました。

 

参加者に行ったアンケート「今日のアイデアの中で、いいね!と感じたもの、実現させたら良いと思うものはどれですか?」では、以下のキーワードに票が集まりました。

【場づくりについて】
暮らすメイトづくり
誰でも居ていいと思える居場所
シニアの遊び場

【インターネットでのつながりについて】
マンションや地域でのLINEアプリ
地域限定のスキルシェアサービス
地域版仕事のクラウドサービス

【ICT技術について】
”ほめてれびくん”

【健康サービスについて】
健康コーディネーター
娯楽立ち上げ支援サービス

 
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グループの発表が全て終わり、牧さんから講評をいただきました。

「10代から80代が集って短時間でこれだけのアイデア、新しいキーワードが出てきたことは素晴らしい。アイデアで終わらず、ぜひ、実現に向けてもガンガン動いてください」

「2060年には50代以上が40%以上となる、人類が初めて迎える超高齢化社会が訪れます。今の70代、80代の活動が大きなカギとなります!もっと尖がったことや直観で動いて、若い世代に見せていきましょう!」と締めくくりました。

 

8月26日(月)には、今後、そのアイデアを具体化するためにはどうしたらよいのか?

また、会議のときには言えなかったけれど、「ホントはこんなことをやってみたいの!」について、話し合う『シニアのホンネ会議のアフター会議』を開催する予定です。 

 

 レポート:渚いろは 写真:原光平

 Special thanks
共催:NPO法人埼玉情報センター
協力:一般社団法人キャリアチャレンジ総合研究所
後援:埼玉県シニア活躍推進課、さいたま市