執筆者:現役ママ 前田 由美(助産師)

皆さん、赤ちゃんを見たらどんな気持ちになりますか?

「かわいい」「触りたい」「抱っこしたい」「柔らかそうで触るのが怖い」など人それぞれ、いろいろな気持ちを抱くと思います。

また、赤ちゃんは、よく泣いているというイメージはありませんか?今まで、お母さんのお腹の中で胎盤を通して受動的に栄養などをもらって成長してきた赤ちゃん。

でも、元気な産声とともに産まれてきた後は、泣くことで意思表示をし、いろんな欲求を満たしてもらい成長していきます。

赤ちゃん・・・しっかり要求してくるんです。すごいですよね。

「お腹が空いたよ」「オムツがぬれて気持ち悪いよ」「眠れないよ」「暑い、寒いよ」「体の調子が悪いよ」などの生理的欲求や「甘えたいなあ」「不安だよ」「怖いよ」「淋しいなぁ」などの精神的欲求を満たしてほしいと泣いて表現します。

そこで、泣かれたらどうしますか?

「どうして泣いているんだろう」と赤ちゃんに話しかけたり、抱っこしたり、泣き止んでほしいといろいろ考えたりすると思います。

でもそこで、すぐ抱っこすると「抱き癖がつくよ。抱き癖がつくと、すぐ泣いたりするから大変よ。」と言われたことはありませんか。

言われたことのない人でも「抱き癖」と言う言葉を聞いたことがあると思います。

前述したように、赤ちゃんが泣くには理由があります。それなのに、泣いている赤ちゃんを抱かずにそのままにしておくと、どうなると思いますか。

それを繰り返しているうちに、欲求を満たしてもらう意欲がなくなり、泣くことを止めてしまう赤ちゃん、サイレントベビー(※注1)になってしまいます。

必要な時以外は抱っこしない(抱き癖をつけない)、両親と一緒に寝かせず、別室で寝かせる(独立心や自立心を早くもたせる)。

子供の泣き声に親がコントロールされてはいけない。

ミルクは一定の時間のみ与える(母乳よりもミルクをあげる)など、なるべく赤ちゃんに触れないような育児方法が第二次世界大戦以降、欧米から日本に流入してきたのです。

そのため「抱き癖がつくから・・」などと言われるようになったのです。それでは、なぜこのような育児方法が勧められてきたのでしょうか。

それは欧米で、19世紀末に産業革命が起きた頃から、女性の労働力が求められ、育児の合理化を図るるために、親の都合に合わせて育児を行うためでした。

その結果、赤ちゃんはどうなったと思いますか。

サイレントベビーは、よく抱っこされ、スキンシップを受けているベビーに比べて、脳神経の発達が遅く、精神的にも不安定になったという調査結果が出ました。

そして、このような結果を踏まえ、現代では泣いている赤ちゃんは、どんどん抱っこして欲求を満たし、安心感を与えてあげるという育児法が勧められています。

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とはいえ、赤ちゃんも個人差があるので、よく泣いている赤ちゃんのお母さんは家事も出来ず、一日中抱っこしている現状も見受けられます。

睡眠不足や腰痛、腱鞘炎になったりと身体的な苦痛やなぜ泣いているのか分からない精神的なストレスも出てきます。

このような育児負担を増強させないためにも父親や祖父母、そう家族のサポートがとても大切になってきます。

そして、赤ちゃんは、抱っこできる時期も限られています。この時期を逃さず大切にし、抱っこされる心地好さを与えると、身体的精神的にも健やかに成長していくのです。

愛情を持って、いっぱいいっぱい抱っこすることで、心豊かな子供になるよう願い続けていきたいですね。

※注1 サイレントベビーとは? 

静かで泣かない、表情や感情を表に出さず、おとなしいベビーのこと

jyosanshisan 執筆者:現役ママ 前田 由美(助産師)

沖縄出身の助産師です。現在、8歳5歳の女の子、2歳の男の子の3児の母です。
助産師として、16年間埼玉県で勤務していましたが、次女の出産を機に退職しました。そして、現在は、沖縄で子育て中心の生活をしています。
 

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