巷の話題: 書籍『へろへろ』福岡にある宅老所「よりあい」が、総額3億円強の特別養護老人ホームを作るまで

執筆者:現役ママ 渚いろは (ライター) 

先日、痴呆症介護の現場をハイパワーな笑いと、ちょっぴり涙もありの雑誌『ヨレヨレ』をご紹介しました。その雑誌の舞台となっている宅老所「よりあい」が特別養護老人ホーム(特老)を作るまでを描いたドタバタ、涙、そして変わらないじじばば達やスタッフの面白話がたんまり入った書籍『へろへろ』を続けてご紹介します。

こちらの書籍は発売後から、新聞や雑誌の書評でたくさん取りあげられ、全国各所で著者のトークライブやサイン会が行われています。

この『ヨレヨレ』&『へろへろ』ブームは何だ!?
世間では、「よりあい」を欲しているのか?否か?
真相を探るべく、早速、書籍を手に入れ読み始めると
♪やめられない、止まらない。「よりあい」の「へろへろ」具合♪
(某スナック菓子CM調でお読みください)

まずこの表紙。

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タイトル文字「へろへろ」。一文字ずつ書体が違っているのが、マニアックかもしれませんがツボでした。これだけで、気持ちがゆるんとなります。

介護士でもなく、当初全く「よりあい」に興味がなかったフリーの雑誌編集者である著者が、よりあいのスタッフとじんわり深まっていく付き合いや、「よりあい」の世話人達や「よりあい」に通うじじばばとの関係も密なった先に雑誌『ヨレヨレ』を作ることになった経緯を読むと、完全に「よりあい」に巻き込まれているんじゃないですか!と外野的には感じます。
でも、そこに「お年寄りに充実した介護環境を」と拳をあげた正義感たっぷりの大義名分などは全くなく、ただ、単に「面白い現場」だから筆をとり、「老後には○○○○万円必要」だの「下流老人」だのとブラックワードが踊る世間の暗雲垂れこんだ空気を、毎日「よりあい」で起こる予想外の笑える出来事でばっさり振り切っているのが、とってもすがすがしいです。

「老人ホームに入らないで住むための老人ホームを作る」ために「よりあい」がしたこととは……。
スタッフ同士で売上げ競争の死闘を繰り広げるよりあいバザーや、子どもたちにLEDのおもちゃを売りさばく夏祭りを敢行したり、物販用の手作りジャムを作るため、砂糖の特売にじじばばをお店に連れていき、みんなでお一人様一袋までの砂糖を持ってレジに並んでゲットしたり、施設長が全国各地で行っている講演会での物販で資金を得たり、寄付をいただいたことなどなど。顔の見えるお金をコツコツ貯めて、頭を悩ませてたくさんの書類をヒーヒー言いながら作成して得た助成金とあわせて、なんと特老の建設費約三億円を得ることになり、木造建築の特老が2015年にめでたく完成となりました。
その過程はぜひ本書を読んで味わってくださいませ。

ライターはこの原稿を書きながら、何度も「ヨレヨレ」、「へろへろ」と口に出していましたが、言っている内になんだか訳もなく「えへっ」と笑っちゃいます。その、「えへっ」が、先程のブラックワードから少しだけ離れさせてくれるような気がします。

「老人ホームに入らないで住むための老人ホームを作る」って、何だろうか?と思った方は、すぐにでも『へろへろ』を手に入れましょう。

老後の心配で夜も眠れない方は、この『へろへろ』を読んで不安をぶっとばしましょう。

「最近、楽しいことがないのよ~」、「ただ、大笑いしたいわ~」の方もお手に取ってください。
 
笑って読める宅老所「よりあい」の介護ドキュメント本『へろへろ』、力を込めておすすめします。

ナナロク社HP 
『へろへろ』
雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々
http://www.nanarokusha.com/book/2015/11/28/3693.html

ill.IK現役ママ 渚いろは(フリーライター・編集者)

千葉県出身。財団法人の広報誌編集を経て、結婚を機に埼玉県に住むことに。初代さいたま市子育てWEBの情報局員として2年活動後、フリーライター、編集者へ。現在タウン誌『アコレおおみや』の編集スタッフやグルメ、人物、店舗取材、産前産後の家族向けメールサービス「きずなメール」のコンテンツ作成など行う。2007年生まれの息子と、夫の3人暮らし。典型的なB型マイペース、こだわりが強い息子に翻弄されながら過ごす日々。ママの休日コミュニティの運営スタッフ、埼玉県男女共同参画審議会委員。

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